iPhoneをワイヤレス充電するとバッテリーが劣化するって本当?
- スマホをワイヤレス充電するとバッテリーが劣化するって本当?
- iPhoneをワイヤレス充電で使い続けるとどうなる?
- iPhoneのバッテリーを劣化させずに長持ちさせる方法が知りたい!
これらの疑問はこの記事を読めばすべて解決します。
ネット上には「ワイヤレス充電はバッテリーが劣化する!」という意見がありますけど、実際のところどうなんでしょうか?

ワイヤレス充電器だとバッテリーが早く劣化するってマジ?

本当なのかデマなのか、よくわかりませんね。
というわけで、実際にiPhoneをワイヤレス充電で1年間使用して、本当にバッテリーが早く劣化するのか検証してみました。
この記事ではワイヤレス充電がiPhoneのバッテリーに与える影響について詳しく解説します。
iPhoneのバッテリーを長持ちさせる方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
先に結論を言うと、iPhoneをワイヤレス充電するとバッテリーが早く劣化する可能性が高いです!
【検証】iPhone SE(第2世代)を1年間ワイヤレス充電してみた
今回の検証で使用したのがこちら、iPhone SE(第2世代)です。
デザインはiPhone6の頃から変わっていませんが、A13チップを搭載しているので現在でも十分快適に使えます。
こちらの製品は2021年にSIMフリーモデルを新品で購入しました。
使用した充電器はAUKEYの「LC-C2」というQi対応のワイヤレス充電器。
出力は5Wと小さいですが値段が安く、デザインもシンプルなので気に入っています。
こちらの製品を購入したのは2016年と結構前ですが、今でも普通に使用できます。まぁ壊れるような部品も無いからね。

ワイヤレス充電器は普通の安いやつです。
ちなみにこちらのAUKEYというメーカーですが、サクラレビューが原因でAmazonから全商品が削除されました。
そのため、現在はAmazon以外の通販サイトじゃないと購入することができません。悲しいなぁ…
↓Amazonから削除されてしまったメーカーについてまとめた記事はこちら
そして今回、iPhone SE(第2世代)を1年間ワイヤレス充電のみで使用してみました。
有線の充電ケーブルは使いません。検証期間はiPhoneを購入した2021年の2月から2022年の2月までの1年間です。
ちなみに、私の主なスマホの用途はLINE・Twitter・YouTube・ウェブブラウザなどです。
また、iPhoneを使用していない時は基本的にワイヤレス充電器に置きっぱなしにしていました。
寝る時もiPhoneをワイヤレス充電器に置いてから寝るので、寝ている間も常に充電してる状態です。

実際に1年間、iPhoneをワイヤレス充電で使用してみました。
【結果】バッテリーの劣化が明らかに早い!

ワイヤレス充電で1年間使用したiPhoneのバッテリーの状態
そして、1年間ワイヤレス充電で使い続けたiPhoneのバッテリーの状態がこちらです。
バッテリーの最大容量は84%まで下がりました。
たったの1年間で84%???????

さすがに劣化が早すぎるだろ…
例えば「2年間使い続けたiPhone」ならバッテリーの最大容量が80%台まで減少することも珍しくはありません。
しかし、ワイヤレス充電を続けたiPhoneは1年間でバッテリーの最大容量が84%まで下がってしまいました。

「84%」といえばもう買い替えるタイミングですね。
「バッテリー最大容量84%のiPhone」を実際に毎日使用していましたが、かなり不便でした。
TwitterやYouTubeを2時間ほど見ただけでバッテリー残量が30%まで減少します。
「バッテリー劣化してるなぁ〜」と感じながらも、1日にワイヤレス充電を何度も繰り返すことでなんとか使用していました。

まだ1年しか使ってないのに…

ワイヤレス充電が原因なのは間違いないと思います。
【原因】バッテリーを劣化させるのは「熱」と「過充電」
ここからはiPhoneのバッテリーが早く劣化する原因について解説します。
ワイヤレス充電器がバッテリーに影響を与えるのは「熱」と「過充電」の2つが原因だと考えられます。
ワイヤレス充電によって熱が発生する
ワイヤレス充電は有線充電よりも熱が発生しやすく、バッテリーへの負担も大きくなります。
iPhone本体とワイヤレス充電器の発熱はバッテリーが劣化する主な原因の1つです。
Appleの公式サイトにも以下のような説明があります。
バッテリー容量に回復不能な損傷を与える可能性があるため、35°Cを超える周囲温度にデバイスをさらさないことが特に重要です。
実際、iPhoneをワイヤレス充電しているとiPhone本体もワイヤレス充電器も両方発熱していました。
しかも、私が部屋にいるときはiPhoneをワイヤレス充電器に置きっぱなしにしていたので、常にiPhoneが発熱しているような状態でした。
100%になっても充電を続けると過充電になる
過充電とは、バッテリー残量が100%になっても充電を続けている状態のことです。
iPhoneのバッテリーに使用されているリチウム電池は過充電の状態が続くと劣化が早くなります。
私は部屋にいるときや就寝するときはiPhoneをワイヤレス充電器に置きっぱなしにしていました。
そのため、iPhoneが何度も過充電されてしまい、バッテリーの劣化が早くなったのだと考えられます。
【Q&A】iPhoneのバッテリー充電に関する疑問まとめ
iPhoneの充電に関するネット上のウワサは本当なのでしょうか?
ここからは「ワイヤレス充電器」や「バッテリーの劣化」に関する疑問について紹介します。
「最適化されたバッテリー充電」を使えば劣化しない?
iPhoneには「バッテリー充電の最適化」という機能が搭載されています。
これは充電のタイミングをiPhoneが学習することで、バッテリーの劣化を軽減してくれる機能です。
この機能はiPhoneを充電するタイミングが一定の人、つまり毎日同じ時間にiPhoneを充電する人なら利用できます。

生活リズムが一定の人ならこの機能が使えます。
しかし、この機能を利用するには「iPhoneを一定のタイミングで充電する」必要があります。
充電するタイミングが不定期だとiPhoneが充電のタイミングを学習できず、バッテリー充電の最適化がうまく機能しません。
特にワイヤレス充電器の場合、iPhoneを充電するタイミングは不定期でバラバラになりがちです。
その理由は、ワイヤレス充電器は充電ケーブルを抜き差しする必要がなく、iPhoneを充電器に置くだけでOKだから。
手軽に充電できるのがワイヤレス充電器のメリットなのですが「充電するタイミングがバラバラになる」というデメリットもあります。

置くだけで充電できるのがワイヤレス充電器のいいところなんだけどね…
実際、私はiPhoneをワイヤレス充電で1年間使用していましたが「最適化されたバッテリー」は機能していませんでした。
これはおそらく、iPhoneをワイヤレス充電器に載せたり離したりを頻繁に繰り返していたのが原因です。
iPhoneが充電のタイミングを学習できず、最適化されたバッテリーがうまく機能しなかったのだと考えられます。
ちなみに、iPhoneと同じ時期にMacBook Airも購入したのですが、こちらは1年間使用してもバッテリーの最大容量が100%のまま!全然劣化していません。
1年経っても100%をキープできているのは、有線充電によって「バッテリー充電の最適化」が正しく機能しているからだと思います。

MacBook Airはちゃんと80%で充電が止まります。

「バッテリー充電の最適化」が使えるのは有線充電だけなのかな…?
有線ケーブルで充電すればバッテリーは劣化しない?
有線ケーブルで充電すれば、ワイヤレス充電よりもバッテリーを長持ちさせることが可能です。
その理由は「有線充電はワイヤレス充電よりもエネルギーロスが少なく、熱が発生しないから」
ワイヤレス充電は「送電用コイル」を使うことで、iPhoneにワイヤレスで電力を送ります。
しかし、送電用コイルはエネルギーロスが大きいため、電力の一部は熱に変換されてしまいます。

ワイヤレスだと充電が遅いのはエネルギーロスが原因なんだね。

有線充電ならエネルギーロスは少ないです。
一方、有線充電はケーブルでiPhoneに直接電力を送るのでエネルギーロスが少なく、ワイヤレス充電よりも熱が発生しません。
ケーブルを抜き差しする手間はありますが、バッテリー劣化のことを考えたらエネルギーロスの少ない有線充電をおすすめします。
Mag Safe(マグセーフ)で充電すればバッテリーは劣化しない?
「Mag Safe対応ワイヤレス充電器」を使えば、磁石の力でiPhone背面のド真ん中にピタッと張り付いてくれます。
ワイヤレス充電器はiPhoneが中心からズレるほどエネルギーロスが大きくなるので、常に中心をキープできるMag Safeなら効率良く充電が可能です。

Mag Safeならエネルギーロスが少ない!

でもやっぱり有線充電のほうが安心ですね。
しかし、結局はMag Safeもワイヤレス充電器の一種です。
充電ケーブルを使った有線充電のほうが発熱は少なく、充電速度も早いです。
Mag Safeなら「エネルギーロスの少ない効率的なワイヤレス充電」が可能ですが、バッテリーの劣化が心配な人は有線充電だけを使用しましょう。
【対策】iPhoneのバッテリー劣化を防いで長持ちさせる方法
iPhoneのバッテリー劣化を防いで、できるだけ長く使い続けるにはどうすればいいのでしょうか?
ここからはiPhoneのバッテリーを劣化させずに長持ちさせる具体的な対策方法を紹介します。
- ワイヤレス充電器は使わない
- Mag Safe(マグセーフ)充電も使わない
- iPhoneを充電しながら使うのはやめる
- 20%で充電スタート→80%でストップ
- PD急速充電は使わない
ワイヤレス充電器は使わない

充電中のLEDが眩しいので黒いシール貼ってます
iPhoneのバッテリー劣化が心配な人は、ワイヤレス充電器を使わないようにしましょう。
私は実際にiPhoneをワイヤレス充電だけで1年間使用してみましたが、バッテリーの劣化が明らかに早かったです。
特に安価なワイヤレス充電器は要注意です。
iPhoneだけでなくワイヤレス充電器本体も発熱するので、バッテリーが劣化する原因になります。
置くだけで充電できるワイヤレス充電器はかなり便利ですが、iPhoneのバッテリーを長持ちさせたい場合は面倒でも有線ケーブルを使用しましょう。
Mag Safe(マグセーフ)充電も使わない
iPhone背面のド真ん中にピタッと張り付いてくれるMag Safe充電器ですが、これも結局はワイヤレス充電器の一種です。
ワイヤレス充電器である限り、どうしてもエネルギーロスによる発熱は発生します。
Mag Safeなら「格安のワイヤレス充電器」よりかはバッテリー劣化を抑えることが可能です。
しかし、iPhoneのバッテリー劣化がどうしても心配な人は素直に有線の充電ケーブルを使いましょう。
iPhoneを充電しながら使うのはやめる
iPhoneを充電しながら動画やゲームを楽しむ「ながら充電」もバッテリーへの負荷が大きいです。
iPhoneの使用中はバッテリー内の電圧が高くなるため、バッテリー100%なのに充電し続ける「過充電」と同じような状態になります。
また、最近の3Dゲームは負荷が重いため、長時間プレイするとiPhone本体がかなり熱くなってきますよね。
この状態で充電することもバッテリーには悪影響です。ワイヤレス充電の発熱と同じような状態になります。

「発熱」と「充電」のダブルパンチはヤバい!

iPhoneへの負荷はできるだけ少なくしましょう。
iPhoneを充電するときは「ながら充電」はやめて、iPhoneを充電に専念させるようにしましょう。
20%で充電スタート→80%でストップ
iPhoneの充電は「20%でスタート→80%でストップ」するのがベストな充電方法です。
0%まで使い切ってから充電を始めるとバッテリーへの負荷が大きくなってしまうので、20%まで減ったら充電を開始しましょう。
逆に、100%になっても充電を続けていると過充電になってしまうので、80%になったら充電をストップするのが理想的です。

絶対に20%〜80%でキープしないとダメなの?

そこまで厳密に気にする必要はありません。
しかし、実際には「20%〜80%」の正確なタイミングで充電するのはかなり難しいです。
そのため、20%〜80%というのはあくまでも目安の数値だと考えましょう。
「過充電」にならないよう、バッテリー残量を意識しながら充電するだけでもiPhoneの寿命を伸ばすことができます。
PD急速充電は使わない
iPhoneをスピーディに充電できるPD(パワーデリバリー)急速充電器。
20W以上の高出力に対応しているので、iPhoneなら30分で50%以上充電できたりします。

iPhoneをスピーディに充電できるのでかなり便利です。
しかし、大きな電力を使ってiPhoneを急速充電するため、バッテリーにも大きな負荷がかかります。
そこで、PD急速充電器の代わりにおすすめなのはコレ。
5W充電器です。昔のiPhoneに付属していた充電器です。
今のiPhoneって充電ケーブルしか付いてこないけど、昔は充電器も付いてきたんですよ。
PD充電器は20Wや45Wなどの高い電力で充電しますが、この小さな充電器の出力は最大5W。
小さな電力でゆっくり時間をかけて充電するためバッテリーへの負荷が少なく、発熱も抑えることができます。

でも、今どきPD急速充電器を使わないなんて不便すぎるだろ…
ただし、5W充電器で最新のiPhoneを充電するにはめちゃくちゃ時間がかかります。
例えば、iPhone12を5W充電器でフル充電するには3時間19分もかかります。長すぎでしょ…

5W充電器を使うのは正直、現実的ではないですね。
「絶対に!決して!何がなんでもバッテリーを劣化させたくない!」という確固たる決意がある人なら5W充電器を使うのもアリだと思います。
実は、私も最近はPD充電器を使っているのですが、PD充電器のスピーディな充電速度にすっかり慣れてしまいました。
なので正直、バッテリーの劣化が心配な人でもPD充電器を使うのはOKだと思います。
iPhoneのバッテリー劣化対策は全部実行しないとダメ?
ここまで「バッテリーの劣化対策」について、いろいろと書いてきましたが…
正直、iPhoneのバッテリーが劣化しないように気をつけながら生活するのはかなり面倒です。
毎日使うiPhoneの「充電する時間やタイミング」を考えながら生活するのは、はっきり言って面倒ですよね。
特に「PD充電器を使わない」という対策方法は現実的ではありません。
PD充電器の快適な超スピード充電を一度体験してしまうと、普通の充電器に戻るのは難しいですからね。

バッテリーの劣化を完璧に防ぐには相当な覚悟が必要です。

もうさ、好きなように充電すればいいんじゃない?(妥協)
それに、バッテリーは劣化するかもしれませんがワイヤレス充電器自体はめちゃくちゃ便利でした。
実際、私もワイヤレス充電器で1年間生活してみましたが、毎日の充電はかなりラクでした。
充電ケーブルの抜き差しが必要ないというのは、バッテリーが劣化するとしても十分に魅力的なメリットですよね。
正直、バッテリーの劣化とか気にせずにワイヤレス充電器を使い続けるのも1つの選択肢だと思います。
特に毎年iPhoneを買い替えているような人なら、ワイヤレス充電器を使っても問題ないでしょう。

ワイヤレス充電器自体はめちゃくちゃ便利だよ!

バッテリーの劣化を気にせずに使うのも正直アリですね。
【まとめ】ワイヤレス充電はバッテリーが劣化するので注意
- ワイヤレス充電器は使わない
- Mag Safe(マグセーフ)充電も使わない
- iPhoneを充電しながら使うのはやめる
- 20%で充電スタート→80%でストップ
- PD急速充電は使わない
今回はiPhoneを1年間ワイヤレス充電した結果とiPhoneのバッテリー劣化を防ぐ方法について紹介しました。
ワイヤレス充電器はiPhoneを置くだけで充電できる点がとても便利ですが、発熱と過充電が原因でバッテリーの劣化が明らかに早くなります。
バッテリー劣化を防ぐには、多少面倒でも充電ケーブルを使って有線充電するほうがいいでしょう。

やっぱり有線充電のほうが安心だね…

毎日バッテリーのことを意識しながら充電しましょう。
また、今回は「バッテリー劣化を防ぐための対策」も紹介しましたが、すべての対策を毎日完璧に実行するのはかなり面倒です。
そのため、まずは自分のできる範囲で、今日からすぐに実行できる対策から始めてみるのがいいと思います。
- ワイヤレス充電器は使わない
- iPhoneを充電しながら使うのはやめる
- 20%で充電スタート→80%でストップ
特にこの3つの対策は今日から簡単に始められるので、iPhoneを末永く使い続けるためにもぜひ実行してみてください。
iPhoneのバッテリーを劣化から防いで、快適なiPhoneライフを楽しみましょう!
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